∞螺旋の運命×運命の螺旋∞
―第1章―
『バーカ!!うっせんだってばよ!!』
そう叫びながら振り返り、騒ぎ続ける『ナルト』を見遣ると、三代目は『ナルト』の暗号に気付き、一瞬僅かに眉を顰める。
……ふぅむ…わしへの暗号の内容は…と……
―アカデミーに裏切り者を発見・取り敢えず泳がせる・詳細は後程―
…と言うところかのう…
…あの暗号じゃと…
…しかし…あやつは…
…なんで…必要もない『落書き』まで四代目の顔岩にしておるんじゃ?
三度目の卒業試験―6―
―三代目が執務室に戻ると、其処には黒い着物を着たナルトが、床に胡座をかき、濡れた髪をゴシゴシと乱暴に拭いていた。
「…戻ってきておったのか…」
ナルトの様子に微かに嘆息を漏らし三代目は小さく呟いた…
「…ナルト…お前アカデミーの方は良いのか?」
三代目は席に着くと、ナルトを見ながらそう問い掛ける。
「…うー…アカデミーは影分身と『奥』に任せてきた…ちょっと話しといた方がいいんじゃないかと思ってさ…」
髪を拭く為に俯いていた顔を上げて、ナルトは言い難そうな様子で口を開いた…
「…ぬ?…なにかあったのか?」
そんなナルトの様子を気付き、三代目は僅かに眉を顰め、訝しげに問い掛ける。
「…んー…何かって…そんなじいちゃんが慌てる程のコトでもないんだけど…ただ…」
それだけ言って口ごもるナルトの様子に…尚のこと心配になる…
…三代目・火影としてではなく、ナルトを孫の様に想う、猿飛個人として…
―続く―