∞螺旋の運命×運命の螺旋∞
             ―第1章―



 …問い掛ける火影に…ナルトは一端口ごもり…そして微かに眉根を寄せ…
 「……ただ…ちょっとメンドイ事になりそうなんだよな…」
 …そう小さくぼやいた…


 
三度目の卒業試験―7―


 「…メンドイ事?どう言う事じゃ?ナルト」
 ナルトのその様子にますます訝しく思った三代目は更に問いを重ねる。
 「…うー…ホントにじいちゃんが思ってる程じゃないんだ…ただ…」
 そこまで言ってだが再びナルトは口ごもる…
 「…ただ…なんじゃ?」
 …大したことないと言いながらも、困った様に言い淀むナルトの様子に、こんなナルトは珍しいと内心では首を傾げながらも…
 (…本来なら忍びは感情を表に出すべきではなく、忍びとしてならば修行が足らぬと諫めるべきなのだが…)
 …だがそれ以上に…忍びとしての技量は一流でも、人間的にはまだまだ未発達で、ある意味に於いては『子供以前』の状態であり、『普通の人間・普通(?)の忍びという存在』を学んでいる途中のナルトには、ある意味良い傾向だと…
 …少しずつだが…確実に人間らしさが身に付いてきていると…更に内心で微笑んで…嬉しげにナルトを見つめた…

                                  ―続く―