リナリーの言ってる意味が分からず、僕が首を傾げた時だった。
「アレ〜〜ン!!おはようさぁ〜〜♪」
一際テンションの高い声が聞こえてきたと思ったら、誰かに抱き付かれ、そのまま押し倒された。
「ラ、ラビ!!」
「今日も可愛いさねぇ〜vV」
「ちょっ、退いて下さい!重いんですが」
「チューしてくれたら退くさ〜」
「なっ…!///ふ、ふざけないで下さい!!///」
「俺は大真面目さ〜。アレンがチューしてくれないんなら俺からしちゃおうかな〜」
「えっ!?ちょ、ちょっと…!」
ラビの顔が段々近付いてくる。体格差は歴然としていて、押し退けられそうにない。僕は覚悟を決めてぎゅっと目を閉じた。
―――その時だった。
「何してやがる!!この馬鹿兎が!!」
ガンッ!!
「ぶっ!!」
誰かの足がラビを思いっきり蹴り飛ばした。
「朝から発情してんじゃねぇ!!てめぇは発情期の猫か!!」
ラビを容赦無く蹴り飛ばしたのは、神田だった。彼は怒り心頭と言った感じでそうラビを怒鳴り付けながら、僕の身体を引き起こしてくれた。
「あ、ありがとうございます、神田」
「ったく、てめぇも簡単に押し倒されてんじゃねぇよ!もう少し身体鍛えろ!」
「うっ…;;」
その言い方にちょっとムカついたけど、本当のことなので何も言えなかった。
全く、神田はどうしていつもキツい言い方しか出来ないんだろう。しかも僕のこと未だに名前で呼んでくれないし…。まぁ、今更「アレン」って呼ばれても気持ち悪いけど。
ラビもラビだ。毎回毎回、人のことを押し倒さなくてもいいじゃないか。兎は寂しいと死んでしまうと言うけど、ラビもその性なんだろうか?だったら、僕じゃなくても他に団員は沢山居るのに。
でも……、二人のことを信頼している自分が居ることも事実だ。
神田は何だかんだ言っていつも僕のことを助けてくれるし、ラビと一緒に居ると楽しい。ノアである自分に、こんな感情が芽生えるなんて思ってもみなかった。