「ってーーーー!!いきなり何するんさ、ユウ!?つか、さりげなく俺のアレンに触ってんじゃねぇ!!」

「あ゙あ゙!?モヤシがいつてめぇのものになったんだよ!?」

「俺とアレンが初めて出会った瞬間からさ〜♪だからユウ!手ぇ出すなよ!!」

「ハッ!それはこっちの台詞だ、馬鹿兎が!!てめぇは一生そこら辺の女でもナンパしてろ!!」

「ユウこそ、一生蕎麦でも食ってるといいさ!!」




「……で、何で僕がこの二人のことで悩まなくちゃいけないんですか?」

喧嘩を始めた神田とラビを無視して、僕はリナリーに聞いた。

確かに二人はよく僕の傍で喧嘩するけど、悩みって程ではない。まぁ、迷惑ではあるけれど。

「えっ!?もしかして気付いてないの!?」

「何がですか?」

「二人の気持ちよ」

「二人の…?ああ、それなら僕だって気付いてますよ!」

いくら恋愛事に疎いと自覚がある僕でも、二人の気持ちくらい分かっている。二人共分かりやすいし。

「二人共喧嘩ばかりしないでもっと素直になったらいいですよね〜」

「……?そ、そうね…」

「まぁ、『喧嘩する程仲が良い』って言いますけど………毎回、痴話喧嘩に巻き込まれるこっちの身にもなってほしいですよね!」

「………。アレン君、何のこと言ってるの?」

「えっ?二人の気持ちでしょ?神田とラビってお互いのことが好きなんですよね?」

僕がそう言うと、リナリーは驚いたような、ぽかんとした表情を浮かべた。

……もしかして、僕は的外れなことを言ってしまっただろうか?ずっとそう思ってたんだけど…。

「……アレン君。二人が好きなのは別の人よ」

「えっ!?そうなんですか!?」

じゃあ、誰なんだろう?二人の好きな人って…。

………………。

って、今はそんなことどうでもいいんだって!問題はこれからどうするかってことで…。

「……まぁ、何について悩んでるのかは知らないけど、あまり悩み過ぎたら駄目よ。いつでも相談に乗るからね」

「リナリー……ありがとうございます!」

やっぱりリナリーは優しいなぁ…。彼女だけじゃない。僕の後ろで喧嘩している神田とラビもコムイさんもリーバーさんも、教団の人達は皆優しい。優しいからこそ、こんなに悩むわけだけど……。

はぁ……どうしよう……。


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