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【ラビの場合】

俺には今、好きな子がいる。

初めて会った時は昔絵本で見た天使がそのまま抜け出したみたいで、柄にも無く暫くその子の笑顔に見とれた。

ブックマンの後継者である俺が一人の人間に執着するなんて、そんなことあってはならないこと。でも、あの子と言葉を交わす度に、あの子の笑顔を見る度に、そんなことどうでもよくなった。あの子に振り向いてもらおうと、日々奮闘中さ!………まぁ、恋愛事にことのほか疎い彼を振り向かせるのは困難なことだが。

しかもライバルは星の数程居るし……。中でも強力なライバルなのがユウだな…。

あいつは何かとあの子と一緒の任務が多いし、しかも俺よりも前にあの子と出会ってる。あの子の方も何だかんだ言ってあいつに懐いてるみたいだし…。

だからと言って、俺は絶対あの子をユウに渡したりはしないけどな!

そこで俺は今日、ユウに決闘状を叩き付けたんさ!勿論、愛しいあの子を………アレンを賭けて―――…。

「……ユウ、分かってんな?この戦いに勝った奴が……」

「モヤシに告白する権利を得られるんだろ?望むところだ」

教団の敷地内にある森。その中にある少し拓けた広場が男の意地と意地がぶつかり合う戦場さ!

いつの間にか、広場には他の団員達が続々と集まってきている。俺とユウの決闘を聞きつけた野次馬達だろう。どっちが勝つか、なんて不埒な賭けまで行われているようだ。

ったく、ここは暇人の集まりか?仕事しろよ!(←あんた等もな)

……まぁ、いいさ。皆の前でユウをコテンパンに伸したら晴れて俺とアレンは自他共に認める恋人同士さ!(←アレンがOKしたら)