「喜んで下さイvレディーアンナv『あの子』が見付かりましタv」
千年伯爵は疑問を浮かべる目の前の…20代後半ほどに見える『ノーブル』の女性…アンナににっこり微笑み、そう告げた…
―白き『ノア』―
―2―
「喜んで下さイvレディーアンナv『あの子』が見付かりましタv」
その我輩の言葉にレディーアンナが瞠目する…
…そう『あの子』が見付かったのでスv…方舟や卵よりこちらの方が余程重要でスv…
「!それはっ!それは本当ですの!?千年公!?」
そう言ってこちらに慌てて駆け寄る。
「勿論本当ですヨvレディーv我輩はこんな嘘は吐きませンv」
にっこり笑みを浮かべる我輩に…
「ああ!」
―ツゥー…
彼女は両手を口元に当て感極まって一筋の涙を流し…
「っそっ…それで千年公…『あの子』は何処に?何故此処に連れて来て下さらなかったのですか?」
そう慌て気味に言う。
「…それなのですがネ…レディー…『あの子』は…『教団』にいるのでス…」
そんな彼女に伝えるのはとても辛い…でも…伝えなくてはならない…
「…『あの子』は我輩達を『敵』だと思っているのでス…」
…『あの子』が…我輩達を『敵』だと思っていることヲv…
「…え……」
彼女が我輩の言葉に目を見開き…
「…そんな…なぜ……」
呆然と口にする…
「…少し色々な事情が重なりましてネ…我輩…何度も会っていたのに…気付けなかったのでス…v…」
悲しげな顔でポツリポツリと我輩は呟く…
「…そんな…千年公が…?…」
…そんな馬鹿な…とアンナが瞠目する。
「…我輩だけではありませンv…ロードもでスv…」
ゆっくりと頭を振りそう告げると…
「…最初に会った時ニv…『あの男』を殺した『あの時』に気付けていたらこんなことにはならなかったのでしょうガ…我輩は気付けませんでしタv…その為に『あの子』をクロスに連れて行かれてしまったのでスv…」
伯爵は酷く残念そうにそう言った…
―続く―