「…それじゃあゼロス、後宜しくね♪」
 それだけ言って彼女は其処から去って行った…

 「…やれやれ…面倒な事はいつも僕ですか…」
 嘆息混じりにゼロスは言う…
 「…でもまあ…彼等にあの事を知られる訳にはいきませんから…仕方在りませんが…」
 精神世界面から物質世界にいる彼等を見ながら…
 「…所詮僕はしがない中間管理職…」
 そして何処かへと向かったリナを思いながら…
 「…そしてリナさん…貴女は……まったく…よく考えればもっと早く気付けたんでしょうに…道理で魔王様が気になさる筈ですよ…」
  
 「…さて…僕は彼等に説明をしてきましょうか…」
 最後にそれだけ言うと彼等の元へと向かうべく、空間を渡った…
 

 
スレイヤーズのドキドキ!バレンタイン!=その1   


 「…それじゃ!あたしは急ぐからっ!」
 最後にそう言って、リナは物凄い勢いで出て行った。
 有無を云わせぬ勢いだった…

 …あまりの事に皆が一瞬呆気に取られていた…
 …だが…直ぐに気が付きリナを呼び止めようと後を追った…
 …しかし…
 …其処にリナはいなかった…

 …僅かな時間であったと云うのに…

 「い…一体リナは何処に行ったんだ!?」
 「あいつが出て行ってからまだそんなに時間は経って無いだろう!?」
 「飛行呪文で飛んでいったのか!?」
 「でもそれにしても影も形も無いって言うのはおかしいですわ!」
 「あっ!そう言えばガウリイさんは人より視力いいですよね!それに気配にも敏感だし!何処かにリナはいませんかっ!?」
 「そうですわ!ガウリイ様!」
 リナを追って食堂を出て、辺りを見回しながら彼等は口々にそう言った。
 そしてアメリアが名案だとばかりに言った言葉に、皆の視線がガウリイに集中する。
 「…いや…それが…」
 皆の視線を受けて、ガウリイが口を開いた、その時だった…
 「リナさんを捜しているんなら、無駄ですよ、もうこの辺りにはいない筈ですから」
 不意に背後から聞こえたその声に振り向けば、其処には、疾うに此処から何処かへと姿を消した筈のゼロスが立っていた…

 …そう…先程リナが言った…その通りに…

                                  ―続く―
 ―あとがき―
 皆様RINです、遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)> 
 3月に入ったというのに、なかなか終わる気配が見られない『ドキドキ!バレンタイン!』です。
 …でも…まあ…=その1は後もうちょっとしたら終わるでしょう…

 ―それではまた―RIN―