―前書き―
 皆様こんばんはRINです!
 『―ドキドキ!バレンタイン!』も遂に7話目突入してしまいました…
 そして…とうとうツリー落ちしてしまいました…
 …バレンタインなんかとっくに終わってますが…取り敢えず…このエピソード=その1だけは『書き殴り』様への投稿を続けようと思います。
 
 ―それでは皆様またの機会に―RIN―





 『…あちらの事は取り敢えず獣神官に任せておいて、そなたは兎に角やる事をやってしまうのだな』
 そう言ったのは、黄金の輝きを放つ壮絶な美貌の『女性』だった…
 『女性』が語りかけた相手は『彼女』に似通った面差しの…
 …『彼女』より幾分若い年頃の…銀髪に紅い瞳の少女だった…
 『さっさとルナの命を終わらせ、あの計画を実行に移すのだな、そなたらの計略あたしは結構楽しみにしているのだから…』
 間違っても計画実行前に頓挫などさせないようにと『彼女』は言外に言う…
 「解ってるわよ!大丈夫絶対成功させてみせるから!命令だとか言う以前にあたし自身結構楽しみにしてるんだからね!」
 『彼女』の言葉に、少女はそう言い、軽くウインクして微笑んだ…
 

 
スレイヤーズのドキドキ!バレンタイン!=その1


 「リナさんを捜しているんなら、無駄ですよ、もうこの辺りにはいない筈ですから」
 食堂の外―リナを捜してキョロキョロと辺りを見回している正の存在達の背後・店のすぐ前に現れゼロスはそう言った…

 「どういう事だ!?何故ここでお前が現れる!?ゼロス!」
 「人間の娘は何処に行ったのだ、お前は知っているのかゼロスよ」
 突如現れたゼロスと姿を消す前のリナの言葉から、ゼロスが何かを知っているのだろうと考え、ゼルガディスとミルガズィアは口々にそう問い詰める…
 他の者達も口々に『どういうことか』と『リナに何かしたのか』と問い質す…
 皆に取り囲まれ、口々に問い質され、ゼロスは手を振り…
 「まあまあ…落ち着いて下さい皆さん、取り敢えず僕の話を落ち着いて聞いてみませんか?」
 にこにこしながらそう言う。
 「どういう意味だ!?今度は何を企んでいる!?」
 ゼロスの言葉にゼルガディスが詰め寄る!
 「企むだなんて…僕はリナさんが現在何処にいるのかさえ知らないんですよ?」
 そう言ってゼロスは肩を竦めてみせる。
 「…しかし…それならば何故お前はいま此処にいるのだ?」
 「それは秘密です」
 ミルガズィアの問い掛けにゼロスは指を口元にあて、お得意のセリフを言う。
 「なっ!ふざけるなっ!!」
 「別にふざけてなんていませんよ…それよりいいんですか?僕の話聞かないで?リナさんがいない今、僕だけなんですよ、件のイベントの説明が出来るのは…」
 襟を掴み!食ってかかるゼルガディスにゼロスはにこにこ笑顔のまま言う…
 「イベントだと?それがどうした!何の関係があるって言うんだ!?」
 そのゼロスの言葉と態度がいつもの事とはいえ、余計に感に障る…
 「第一貴様の説明なんか信用出来ると思うのか!?説明ならリナに聞く!!」
 「おやおや…僕って信用ないんですね〜でもリナさんにはすぐには会えないと思いますよ?それに会えたとしても、僕に聞くように言った以上リナさんが自分から説明するとは思えませんしね」
 「なに!?何故貴様がそんなことを知っている!?」
 「いやですね〜ゼルガディスさん、そんなのリナさんも言っていたでしょう、アストラル・サイドから覗いていたからですよ」
 「あーそう言えばあの後もあの辺りにいたよなーゼロス!リナも気付いてたのか!そっかー!それで結局どうして消えてたんだ?」
 さっきまでボーっとしていたガウリイが、何かを思いついたように言う…
 「…ガ…ガウリイさん…気付いてたんですか?」
 「え?だって気配消してなかっただろう?」
 (…た…確かに完全には消していませんでしたが…でも…読めませんよ…普通…絶対…)
 あっさりとしたガウリイの言葉にゼロスは絶句する…
 「……それは…」
 「…で?どうしてだ?秘密なのか?」
 言いかけたセリフを又もガウリイに先に言われゼロスは思わず座り込み…
 「ガ…ガウリイさんのいじわる…」
 いじいじとオプション付きでいじけ始める…
 「オーイ!大丈夫か?ゼロス?」
 のんきな罪の無い表情でガウリイはゼロスに呼び掛ける…
 「ガウリイさんがそういういじわるをされるからです!」
 「そうなのか?」
 振り返りそう言うゼロスにガウリイはそう問い返す…
 そんなガウリイの言葉にがっくりと肩を落とし…
 「…ああ…もういいです…それよりここでは何ですから、取り敢えず中に戻って、それから話の本題に入りましょう…」
 それだけ言うとゼロスは皆の返事を待たず、さっさと食堂の中へと入って行った…

                                  ―続く―