―食堂に戻り元の席に着く…テーブルの真ん中にそのまま置かれたバスケットに暫し…ゼロスを除いた…全員の視線が集まる…
 …どれ程か…沈黙がその場を支配する…
 …皆が思いだしていたのだ…それを置いた…その時のリナの様子を…

 (…皆さんなかなか美味しい感情出して下さっていますね〜魔族の立場としては、このイベント、あまり喜ばしいものでは無いんですけど…こういう楽しみがあるんなら…まあ獣王様が放っておけと言っていたのも解りますね…今回のこのイベントに併せて、神族が何か企んでいるのは知ってますけど…どうせ大した事では無いんでしょうし…それに…リナさんに貸しを作っておくというのもおもしろいですしね…)
 負の感情を出しまくっている彼等を見つつ、ゼロスはそんな彼等の感情を味わいつつ、彼等の知らない、今回のイベントの背景にある何か…神族の思惑とそれを承知で放っている魔族の思惑…そしてそれに大きく関わっているであろう…一人の人間の少女に想いを馳せつつ…
 「…さて…そろそろ本題に入っても宜しいですか?」
 …その沈黙を破った…


 
スレイヤーズのドキドキ!バレンタイン!=その1


 「久し振りv元気そうねvハイvコレあげるv」
 栗色の髪に紅い瞳の魔道士姿の少女がにっこりと天使の様な微笑みを浮かべ、そう言った…
 「……リ…リナ=インバース…お前…一体…どうしたんだ……」
 …声が震える…目の前には数年前に出会い…まあ取り敢えず世話になった女魔道士…
 …しかし…彼女はこんな言動をする性格だっただろうか?
 …否絶対に違う!
 …よしんばしたとしても!そういう時には絶対に何かを企んでいる!
 絶対に裏がある!…そしてそれからは逃れられない!
 …それが…確信できてしまう…
 「そんなに怯えなくても良いわよv今日はあたし仕事で来たんだからv」
 「…し…仕事?」
 …な…何だ?誰かに頼まれたのか?
 「そっ!だからこれ絶対に受け取って食べてねvあっ!別に変な毒とか入ってないから!その点は安心して!味も保証するから!」
 随分と明るく言う…が、その言葉に何か不吉なものを感じ…
 「…ちなみにもし食べなかった場合どうなるんだ?」
 …ついそう聞いてしまった…
 「おっ!恐ろしいこと言わないでよっ!もしそんな事になったら…うぅ…」
 そして後悔する…初めてみる…恐怖するリナ=インバース…この女にこれ程の恐怖を抱かせる存在…恐ろしさの余り感覚が麻痺する…
 「な…なんなんだ…」
 そしてついぽろっと口からこぼれた呟き…
 「聞きたいの?そう…」
 リナ=インバースのその言葉にとことん後悔する…
 「まっ!待てっ!聞きたく……」
 「…そうねー…うーん…その時には…血と涙の雨が降った後…そうね『竜破斬』の嵐が吹き荒れると思うから…覚悟しといてねv」
 「…い…今すぐ食べさせて頂きます!!!」
 聞きたくないと言う言葉を遮ってのリナ=インバースのその言葉に…最早何も考える事が出来なくなって…
 …気が付いたら…そう言って…その一口サイズのチョコレートを口に放り込んでいた…
 
                                  ―続く―




 ―あとがき―
 RIN:皆様こんにちは!RINです!
     とうとう前回には我らが『あの御方』が登場されました!
     おめでとうございます!作中に直接出演されたご感想は!?
     どうでしたか!?L様!?
  L様:そうねーようやく出られたのは嬉しいけど…
     でもまだまだ出番が少ないのがね…
 RIN:エ…L様?あの…でも…やっぱり物事には順序と言うか…
     お話には話の流れと言うか…兎に角そう言うものもありますし…
  L様:んっんっんっ!だぁかぁらっ!
     さっさとあたしが主役の話を書けばそれで済むことでしょうがっ!
 RIN:アゥーそれは…そうなんですけど…でも…
  L様:でも?
 RIN:い…一応順番とか考えて書いてますし…
  L様:フーンそう…
 RIN:あ…あのL様!この話L様の出番はむしろこれからですし!
     あの兎に角頑張って続き書きますからっ!
     あのだからっ!どうかお仕置きだけは勘弁して下さい<(_ _)>
  L様:…まあいいわ…なんだかんだ言って前回出られたしね…
     …でも…その代わり…解ってるわよねv
 RIN:ハッ!ハイィー!!頑張って書きます!!
  L様:それじゃあとっとと挨拶してコレ(あとがき)を終わらせなさい!
 RIN:ハイ!解りました(T_T)
     ―えー…それではこの様な駄文をここまでお読み頂き有り難うございました<(_ _)>
     
     ―それではまたの機会に―RIN―