―場所はフィレンツェ…ロードのご希望の通り三つ星料理店…の個室…

 「済みませんここに書いてあるの、アルコール類以外を全部大盛りで二つずつ…お願いします…あっ!ドルチェはあとで…ロードはどうしますか?」
 メニューを指差して僕は言い、ロードに聞く。
 「う〜ん?…僕はー?…コレ…このコースがいい!」
 美味しそうだしこのドルチェカワイイvそう言ってロードが嬉しそうに笑みを浮かべる。
 「あっ!じゃあこれもお願いしますv」
 僕はロードが僕に指差して言ったコースを更に追加で頼む。
 するとタキシードを着た店員が…
 「…お…お客様…大丈夫ですか?」
 …僅かに顔を青くして…引きつった様子で聞いてきた… 
 「全然問題ありません!ドンドン持ってきて下さいv」
 僕はにっこりと笑顔を浮かべて言った…

 …実際…少ないかも知れないくらいだと思っているのだ…
 …まあ…足りなければ更に追加すればいいし…
 …代金の心配もいらない…
 
 …ツケを使うと伯爵に居場所がバレちゃうから…普段は使えないけど…
 …今回は…請求が行く頃にはもうここにはいないし…
 …安心して食べよう…


 
旅路の始まり―4―


 「アレンそれ美味しい?」
 料理を食べ終わりドルチェを食べていると、ロードがコースについていたドルチェのティラミスを食べながら聞いた。
 「ええv美味しいですよvロードも欲しいですか?」
 僕がいま食べているのはパンナコッタ…デザートであるドルチェも全て二人分頼んである…
 …ロードが欲しいのならと思いそう言うと…
 …ロードはチョット考えて…
 「……うー…でも…他のも美味しそう…」
 …そう言って…他のドルチェに視線を彷徨わせる…
 「じゃあ全部一通り頼んでおみやげにしたらどうです?『家』でゆっくり楽しんだら?」
 「そっかー!じゃあそうしよ〜♪」
 僕の言葉にロードは嬉しそうに笑みを浮かべた。

 「ロード送りますよ」
 持つの大変でしょ?
 そう問うと…
 「だからアレン大好きーv」
 ロードは大喜びで僕の腕にしがみついてきた。
 「フフ…じゃあ行きましょうv」
 そう言って僕はにっこりとロードに微笑みかける…

 …そうして僕はロードを彼女の部屋まで送り…

 「じゃあ僕はこれで」
 そう言って手を振った…

 …それじゃあ…仕事に掛からないと…でもまあ…フィレンツェは後回しにした方がいいかな…?…念のため…
 …急ぎじゃ無いし…

 「…じゃあ行くか…」
 …そうして僕は『仕事』を開始した…

 …しかし…まさか…この『仕事』の最中にうっかりエクソシストと出会してしまう事になるとは…この時の僕には予想外のことだった…

                                            ―終わり―