…空を舞い細く高く澄んだ鳴き声(こえ)で囀る小鳥…
 …それを僅かに顔を上げて見ると、カカシは火影邸へと急いだ…

 …カカシが執務室へと入ると、其処には何人もの上忍や特別上忍そして中忍に、数名だが暗部までがいた…


 
虎の穴―1―


 「…これで全員集まったな…」
 オレが部屋に入るとすぐに綱手様は重々しい口調でそう言った。
 …どうやらオレが最後だったらしい…まっ…別に良いけど…

 「お前達に集まって貰ったのは他でもない、現在の里の状況はお前達はよく解っているだろう」
 …そう綱手様は淡々と話し始めた…
 …オレはその言葉に眉を寄せ…
 …突然どうしたんだ?…それにこの集められた面々は…
 …オレにアスマに紅にガイ…アンコにイビキにゲンマにアオバ…それに…中忍が数名に…あれまあ…暗部までいるよ…
 …あー…でも…紅の狐面着けてるヤツは一人もいないな〜…
 …ハァー…オレの愛しい『ツイナ』はいないのかー…
 …ちょっと残念…最近忙しいみたいで全然会えないからねぇ…
 …暗部がいるって気付いた時…もしかしたらって…少し期待したのに…チィェー…
 …姿見かけたと思ったら影分身ばっかだし…
 …しかも…会いたくないヤツはいるんだよねぇ…
 …あの万年中忍…
 …『ナルト』の『大事』な『イルカ先生』…ね…

 …イルカを見たその時…カカシは一瞬だけ眉を寄せ…出そうになる殺気を急いで押さえた…
 …と、その瞬間(とき)だった…
 …まったく唐突に…一瞬だけ鋭い殺気がカカシに向けられた…
 …カカシにだけ向けられていた…
 …その殺気に気付いたのはカカシだけだった…
 …正確にはカカシにしか解らない様にその殺気は調整されていた…

 …!!!…
 …こっ!この殺気はっ!!…
 …どっ!何処だ!?…
 …この鋭利な殺気は…
 …間違いない!…
 …何処に…
 ……
 …見つからない…でも確かにいる…
 …あんな殺気をオレに解る様に送ってきたって事は…
 …あれは…かなり怒ってるな…
 …『あの子』が怒ると恐いけど…
 …でも…
 …これで今日は確実に会える!…
 …ちょっと…いや…かなり恐いけど…
 …嬉しいなぁ〜v早く綱手様の話終わらないかなぁv…
 …それにしても…虎の穴ってなんだろうねぇ?…
 …綱手様も回りくどい言い方しちゃって…
 …結論だけパッパッと言ってくれたら良いのに〜…
 …う〜んv早く会いたいよ〜vナルトーv… 

 ―すっかり目尻の下がっているカカシの様子に…
 …隣にいる、アスマや紅は気持ち悪そうに眉を顰めていた…

                                  ―続く― 

 ―あとがき―
 お久し振りです、RINです、浜口 篤子様、遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>
 スレナルリク小説『虎の穴』第一話がなんとか書き上がりましたのでUP致したく思います。
 続きは今度はもう少し早くUP致したく思っております。

                   ―それではまたの機会に―RIN<(_ _)>