…『戸籍の細工』…か…

 『いつきナリト』と『うずまきナルト』

 …この二つの名前には複雑な意味がある…
 

 
虎の穴―13―

 
 「…ナルトの戸籍はね…二つあるんだ…」
 …そう言ってカカシは…イルカの方に意味ありげに視線を向けて…
 …そして…続けた…
 「…だから『正確』には『偽名』というわけでも無いんですよ…」
 …どこか…得意げな様子で…

 「…それは…」
 …カカシの言葉に…イルカは唖然とした様子で呟いた…
 『…戸籍が二つ…』
 …『それ』が…どういう『意味』を持つのか…
 …正確な所は解らなくても…
 …その『重さ』は充分に分かったから…

 「…うずまきに私達の知らない『特別』な『何か』があるのは、解ったわ…でも…『どうして』そこまでして、隠さなければいけなかったの?」
 …『戸籍を二つ持つ』と言うこと…その『意味』は『重い』…
 …うずまきが一体いつから『二重戸籍』を持つ様になったのか…
 …だけど…『九尾の器』=『うずまきナルト』…
 …このことは『掟』が…『箝口令』が布かれた『13年前』の時点で既に里中に知れ渡っていた…
 …しかし…さっき『うずまき』が名乗った『本名』は…
 …『いつきナリト』…
 …そしてそれはつまり…
 …この『13年前』の『時点』で…
 …『うずまきナルト』と名乗り…
 …『二重戸籍』を持っていたと言うこと…

 「…それは…ナルトが…」
 「…それは…ユイが…」

 …カカシとアスマが…躊躇いがちに…俺の方をちらりと見ながら…ほぼ同時に…そう言い…そして互いの声に…互いに視線を一瞬向け…
 …僅かにどこか迷っている様な…そぶりを見せつつ…口を開こうとした時…
 「…単に俺の『親父』が『四代目火影』で『母様』が『三代目のじいちゃんの姪』で『いつき』の『分家』の出身だったからなんだけどな…」
 …あっさりと俺はこれまで隠されていた秘密の『一部』を明かした…

                                  ―続く―

 ―あとがき―
 どうもこんにちは、RINですm(_ _)m

 浜口篤子様、取り敢えず第13話書き上がりました。
 今回は割と早めに書き上げることが出来ましたv
 …やはり『上忍編』のラストが見えている為でしょうか?
 …ところで…『上忍編』なのにイルカ先生が出ている理由は…
 …どうしても『あるエピソード』を書きたかったからです!
 …そのエピソードについては…詳しくは秘密ですが…
 …ああ…まだRINは何か企んでいるんだな…と思っていて下さい…<(_ _)>
  
 …そして内容についてですが…
 …冒頭は…
 …この場にいる『総ての真実』を識る全員…
 …ナルト・アスマ・綱手・シズネ…
 …この4人のモノローグにあたります…
 …そして本文では…
 …サンザン勿体付けておきながら…
 …思いっきりアッサリとナルトがバラしてしまいました…<(_ _)>
 
 …ちなみにナルトがこの話では…
 …『父親』を『親父』『母親』を『母様』と呼んだのは…
 …別に間違いではありません…
 …ナルトは普段は父親のことは父上と呼んでいます…
 …ただ…時々…素で話している時などに…めんどくさくなると…
 …ぞんざいに親父と呼ぶので…
 …この時はちょっとめんどくさくなっていたというだけです…

 ―それと…本文最後でナルトがバラしたナルトの素性に関してですが…
 …これは秘密と言っても…まだ表面的なもので…『本当』の秘密は、この話ではバラしません…
 …バラスのは精々カカシが知っている、表面的な事実止まりです…
 …それとちなみにカカシは『いつき』家についてはなにも知らない…精々…四代目の奥方の生家と言うのと…三代目と親戚というのを知ってるくらいです… 
 
 …そういうわけで…次回は…何気にカカシも知らなかった衝撃の事実が明かされる…予定です…

                        ―それではまたの機会に―RIN―