…『四代目』が『父親』…
…『母親』が『三代目』の『姪』…
『…な…』
「…なんだって…」
「…なんですって…」
…その事実を知らなかった、イルカと紅の二人は…
…ナルトが言った『その意味』に…
…愕然とした…
虎の穴―14―
―…愕然とする…イルカ先生と紅先生の様子に…
―…カカシの目は一瞬だが確かに満足げに笑った…
…カカシ…あいつ…なにを喜んでんだ?…
…前々から思ってはいたが…
…ホントあいつ…
…理解不能なヤツ…
―…そんなことを思っていると…あいつは遠い目をして語り始めた…
「…13年前のあの日…あの日の早朝だった…ナルトが生まれたのは…」
―…13年前の…あの日のことを…
「…『あの事件』があった所為で…一時里人はそれどころではなかったんだろうけどね…当時はかなり話題になっていてね…生まれるまでは里中が楽しみにしてたし、生まれた時は…それこそ里中がお祭り騒ぎで…そんな時に…里は『九尾』に襲われた…」
―…すごく複雑そうな目で…
…普段はわけわかんなくて…もの凄く理不尽で…俺の大事な人達に殺気ぶつける様なこいつが…こんな時だけ…じいちゃん達と『同じ』になる…
…だから俺は…余計にわからなくなって…
…きっと…だから…俺は…こいつがイヤなんだ…
…なにも知らないくせに…知った様な…知らないのなら…自分が知るのは『当たり前だ』って言う様な…
…カカシのあの言動が…すごくむかつくから…だからなんだきっと…
…すべては13年前のあの日…
…あの日カカシは…
…知らなかったとはいえ…
…一度は放棄しているんだから…
…俺の『家族』になることを…
…そして…その所為で…
…いや…カカシなんか関係ない!
…こいつは実際周りが言ってる程強い訳じゃない…
…もし『あの時』…カカシがいたら…なんて…
…そんなのは…無意味だ…
「…四代目が九尾を封印して…それから…数日くらいたった頃だったかな…噂が流れたんだ…まあその噂のことは…紅もイルカ先生も当時を知ってるから、詳しく言うことないとは思うけど、とにかくその噂の所為で、当時その時点ではまだ公表するつもりのなかった、『九尾の封印』のことを三代目は公表せざるを得なくなったんだ…」
「…だが実はこの当時…実はもっとやっかいな状態にユイは…ナルトはなっていたんだ…」
―…そう言って…カカシの説明を割り込むような形で、無理矢理引き継いだのはアスマだった…
…たぶん…俺の状態を察してくれたんだろう…
―…そんなアスマをカカシが殺気とともに睨む…
―…その様子に俺は僅かな殺気とともに『止めろ!』とカカシに目配せする…
―…するとカカシは一瞬すごく情けない表情(カオ)で…俺を見てきた…
…なんでこいつがこんな表情をするのか、俺には解らないが…
「…もっとやっかい…ですか?」
―…イルカ先生のその問いに…俺はアスマに話を続ける様に目配せをした…
「…ああ…ナルト…いやナリトって言った方がいいか…このころナリトは…何度も殺され掛けてんだ…」
『なっ!なんでっ!!』
―…紅先生とイルカ先生の声が重なる…
「…里はこの頃混乱状態でね…内と外…両方で不穏な動きがあった…四代目の…先生の息子で…三代目には実の孫同然の赤ん坊…それがナルトだった…里にとっても三代目にとっても敵は山ほどいて…そいつらがナルトを狙うのはむしろ当然だったのかも知れないね…」
「…正確には…攫われ掛けたってのが正しいんだが…奴らはどうやら攫うか、無理なら殺せと命じられていたらしくてな…何度もナリトは殺され掛けたんだ…まあその度…皮肉なことに…九尾の御陰で命を取り留めたんだが…」
「えっ?そんな酷かったの?俺は怪我したっていうのと、このままだと命が危ないから取り敢えず二重戸籍を創って『四代目の息子』は死んだことにするって言うのしか知らないよ?」
「…当然だろうが…おまえあれからすぐ暗部に入って、里外任務に出ちまったんだから…」
「ちょっ!ちょっと待って下さい!カカシ上忍!アスマ上忍!『死んだことにする』ってそれってつまり…」
―…カカシとアスマの言葉に…イルカ先生の顔色が変わる…
―…そしてそんなイルカ先生にカカシとアスマは互いに少し気まずそうに目配せする…
―…そんな二人の様子を見て…俺は…俺が話した方が早いなと思い…
「…そうだよ…『いつきナリト』は戸籍上では、既に死亡したことになっているんだ…」
―…そう言った…まるで…他人事の様に…
―続く―
―あとがき―
どうもお久しぶりです、RINです。
お待たせしてしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>
…そして…ちょっと暴走してしまい長くなってしまいました為に、予告してあった内容が書けず、第15話に回すことになってしまいました。
…遅れてしまったことと併せ、浜口篤子様には深くお詫び申し上げます。
…いつも申し訳ありません<(_ _)>
―第15話のUPは今月中に致したいと思っております。
―それではまたの機会に―RIN―
―現在メールが書ける状況で無い為、未だメールでの発送は控えさせて頂いております<(_ _)>