「…まあ…もっとも…この事は俺がある程度、大きくなって政情が安定し、もう公表しても大丈夫だって、じいちゃんが判断したら公表するって、この時決めてたらしくて…まあ仮の処置だったんだけど…だけど…すぐにその考えは甘い見通しだってのが判って…結局…公表は無期延期…ケース・バイ・ケースで対応する事になったんだ…」
―…思い知った…自分は本当に何も知らなかったのだと…
虎の穴―15―
「…まあ…それはある意味当然だったんだ…知ってるヤツは知ってるんだからな…『いつき』って言う『家』がどういう『家』なのかを…」
「ちょっと待ってよ!アスマ!うずまきはさっき、いつき家は関係ないって言わなかったかい?」
「そうだよアスマ!そりゃ三代目と親戚なんだから、ある程度は重要なのかもしれないけど!それでもそれほど『重要』な『名家』ってわけじゃなかったと思うよ!」
「…そりゃテメェが知らないだけだよ…カカシ…」
…そこまで言って…アスマがこっちを見てくる…
…たぶん話していいのか…困っているんだろう…
…アスマが判断するには…重すぎるから…
…だから俺は微かに頷いて…アスマに合図を送った…
「…確かに『いつき』家は、『うちは』や『日向』の様な目立った血継限界はねえ…ねえが…」
…頷いた俺を見て…再び口を開いたアスマだったが…やはりこれ以上は説明し難いようだ…
…アスマが途中まで話しかけてたから…アスマに任せようかと思ったけれど…
…やはり俺が話すことにしよう…そう思い…
「…そのかわり『縁戚関係』が凄いんだよ…『いつき』って言う『家』はな…」
…そう言った…
「…え…縁戚関係?…」
間が抜けた声を出すカカシに俺は内心頭が痛くなる様な思いをしつつも…
「…そうだよ…」
…続ける…
「…ど…どういうこと?…」
「…だから…『猿飛(うち)』だけじゃないんだよ…」
「熊には聞いてないでしょっ!!」
…解りの悪いカカシに…フォローを入れてくれたアスマに、カカシの馬鹿は何故だか喰ってかかる。
「…カカシ…アスマに当たるな…」
…まったく…解んねぇテメェがわりぃんじゃないか…
「…ナ…ナルト…」
…カカシは…いまにも泣きそうな、情けない声を出す…
「…まったく…」
…情けない…とカカシに聞こえるようにぼやき…嘆息を吐く…
「…じゃ続きな…『いつき』の縁戚関係は凄い…それはどういう意味かって言うと…『里の主要な名家』とは殆ど全て、縁戚・親戚関係にあり…血が繋がってるって意味なんだ…」
『…なに…それ…じゃあ…』
…カカシと紅先生がその言葉の意味に気がついた様で…目を見開き…
「…ナルト…それって…」
…僅かに遅れてイルカ先生も気がついた様で…微かに…声が震えている…
「…そう…つまり…同期の殆どとは親戚なんだよ…」
―…ナルトのその言葉に…オレは部下達に対し…どうしようもないほどに嫉妬していることをはっきりと自覚した…
―続く―
―あとがき―
お久しぶりです、お待たせしてしまいました、RINです。
浜口篤子様、遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>
…色々あって遅れてしまいましたが…それでも何とか11月中にUP出来ました。
…ただ…話の内容的には本来なら、14話で書く筈だった内容ですので、もしかしたら上忍編が1話か2話予定より延びる可能性が出てきてしまいました…なかなか話が進まなくて申し訳ありません…
―それではまたの機会に―RIN―
―現在メールが書ける状況で無い為、未だメールでの発送は控えさせて頂いております<(_ _)>