「…ゲ…ゲジマユと…ネジも一緒に…アカデミー…前に行けって…綱手ばあちゃん…がっ……」
 …サクラに締め上げられて…途切れ途切れに…息切れしながらのナルトのその言葉を思い出しつつ…

 「…もう!あんたっ!ネジさんと同じで、特別病棟に入院してるんでしょ!リーさんだって!一般病棟に移ったって言っても、研究棟よりは近いのにっ!なんでっ!私の方に先に来るのよっ!!」
 …廊下を駆けながら、そう叫んだ…


 
虎の穴―25― 


 「…8時20分か…」
 …ネジは待合所のソファーに腰掛け…壁に掛けられた時計を見た…
 …ここは…木の葉病院の検査病棟の待合所だ…
 …今朝ネジは担当の看護士の一人に…
 「日向さん、今日9時から簡単な検査があるそうですから、8時30分までに検査病棟の受付に行って下さいね」
 …とそう言われ…
 …言われた通りに受付に行くと今度はここで待つ様に言われ…今に至っている…
 「…早く来すぎたか…」
 …そう呟いた時だった…
 …よく知った…とても明るい気配が近付いて来るのを感じて、ネジはそちらを見た。
 …すると思った通りで、丁度入り口の方から少年特有の少し高めの明るい笑い声が聞こえた…

 …そしていくらも経たない内に、年の割には小柄な…金髪の少年がキョロキョロと物珍しそうに辺りを見回しながら入って来た…
 …暫くキョロキョロしていたが…ネジに気が付いたらしく手を振りながら早足で駆けて来るその様子に、ネジも頬笑ましく思い軽く手を振り替えして、応えた…
 「おっはようってばよ!ネジ!ネジもケンサだってば?」
 「…ああ…相変わらずだな…おまえは…」
 「さっき外でゲジマユにも会ったってばっ!あいつ修行しようとして怒られてたってばよ!」
 「…リーもか…まったく……しかし…一体なんの検査だ?特別病棟に入院中の忍をやたら見かけるが…」
 ニシシと笑いながら言うナルトのその言葉に、ナルトもリーも二人とも本当に相変わらずだなとネジは思う。
 「…う〜ん…今朝急にケンサがあるからって言われたってば…」
 「…おまえもか……そう言えばさっきチョウジを見かけたぞ…菓子を取り上げられていたな…」
 「…チョウジも来てたってば!?…あっ!それでっ!」
 「どうした?」
 「受付で食い物は持ち込まない様にとかケンサ前だからなんとかって…なんかイロイロ言われたってばよ」
 「…成る程…」
 …そうして…暫し互いの近況に付いて話をしていると…
 「…お待たせしました、○○××上忍・□○△△中忍・日向ネジ下忍、検査室115号室にお入り下さい」
 …ポーンという甲高い音と共に呼び出しのアナウンスが待合所内に響く…
 …その呼び出しを合図に、ネジはナルトと別れ、待合所を後にした…

                                       ―続く―

 ―あとがき―
 申し訳ありません。
 皆様、お久し振りです、RINです。
 ……随分遅れてしまいました……ウゥ……
 …オフの方で…まあ…イロイロありまして……
 …まだ…チョット…イエ…当分ゴタゴタしそうなので、まだ暫くはなかなか更新できないかもしれません…
 …本当に申し訳ありません…
 
 それでは本当に遅くなってしまいましたが、浜口篤子様、『虎の穴』第25話どうぞお納め下さい。

 …済みません…今回リー君出てきませんでした…
 …リーの登場は、次回になると思います…タブン…

                             ―それではまたの機会に―RIN―