アカデミー前には子供達が集まって騒いでいた…

 「あっ!アスマが来たわ!」
 「おっ!紅先生も一緒だぜっ!」
 『これって一体どういうこと(ですか)(だ)っ!!』
 
 …子供達はやってきた教師二人に気付くと、異口同音で問い質し、二人を質問責めにした。


 
虎の穴―31―


 「まあ!落ち着けお前ら…な…」
 アスマは「まあまあ」と言いながら下忍達を宥める。
 「でもアスマ!うちの班シカマルは中忍になっちゃったし!チョウジは入院中!しかもいま里がこんな状況だから、あたし達それぞれ受付所で指示された班に入って任務してて、今日も受付所に行かなくちゃ行けなかったのにっ!なんで忙しくて任務で飛び回ってる筈の上忍のアスマと紅先生に呼び出されてるのー!!」
 両手を上げて半ば混乱しつつ抗議の声を上げるイノ…
 「そうっすよ!先生!赤丸まだ無理は禁物なのにっ!」
 …次いで所々にまだ包帯を巻いたキバが、少し元気のない感じの…やはり包帯を巻いた赤丸を腕に抱いてそう言った。
 「…で…でもキバくん…今日は大切なお話があるみたいだし…赤丸くんもいた方がいいと思うの…」
 「…ヒナタ…なにかを知っているのか?」
 …おずおずといった感じで言ったヒナタの言葉に、シノが疑問の声を上げ…
 「…そういや…今朝もそんなこと言ってたよな?そうなのか!ヒナタッ!」
 …キバはヒナタからこの集合のことを聞いた、その時に…赤丸を連れて行こうかどうしようか悩んでいたら…ヒナタとそして自身の姉からも同じような事を言われ…結局連れてきたのだ…
 「そうなの!?ヒナタ!?あんたなにか知ってるの!?」
 そしてイノがシノとキバの言葉に身を乗り出す。
 「…えっ…あっ…えっと…それは…」
 イノの剣幕に圧されたのか…ヒナタは困ったように…いつもこんな感じと言えばそれまでなのだが…それにしても少し違う…そう察したシカマルが間に入る…
 「…あー…取り敢えず落ち着けイノ…ヒナタが困ってるだろうが…」
 …そのシカマルの言葉に…
 「なによー!あー!もしかしてシカマル!あんたも何か知ってんでしょう!朝から静かだったし!あんた中忍だし!」
 そうシカマルを振り返るなり、凄い勢いで詰め寄り問い質す。
 「…あーめんどくせえな…そんなんじゃねえよ…ただヒナタは『日向』家だから…『家』の関係で『何か』知ってるのかも知れないが…だとしたらそんなペラペラ喋れることじゃねえだろ?…そうでなくてもオレらは忍なんだし…気軽に話せることと話せない事くらいあって当たり前だろう?お前んちの『山中』だってそうだろうが…めんどくせえな…」
 心底めんどくさそうに…シカマルは後頭をボリボリと掻きながらそう言った。

                                            ―続く―

 ―あとがき―
 どうもお久し振りです、RINです。長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
 久方ぶりの『虎の穴』です。
 …色々あって…冒頭部書きかけで止まってしまっておりました…
 …止まってしまってからは…続きの書き出しをどういう風にしようかと…最初どういう風にするつもりだったのかがまったく解らなくなってしまって…
 …挙げ句…再び書けない状態に陥り…そんな状態が何度も続いた結果…ずるずると…
 …本当に申し訳ありませんでした。
 
 ―そして改めて、浜口篤子様『虎の穴』お待たせしてしまいましたが、第31話が書き上がりました。
 お待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

                                  ―それではまたの機会に―RIN―