「…アレンくん…」
 …去っていく…
 「…行かないでっ!」
 …彼の背を…
 「アレンくん!」
 …追い掛ける…
 「…っ…お願いだからっ!…」
 …ふらつく足を…
 「…行かないでっ!」
 …叱咤して…
 「アレンくん…」
 …足が…絡み…転ぶ…

 …それでも…彼は…振り向かない…


 
運命の分岐(わかれみち)
           ―第2章―
              ―第2話―



 「…う…そ…アレンくん…アレン…くん…」
 …うっ…うっ…
 …リナリーが泣いてる…
 …でも…僕には…もう…
 
 …その『扉』の直前で…一度だけ…立ち止まる…
 …これだけ離れていれば…多分もう見えないだろうから…
 …だから…せめて…
 …そう思って振り返る…
 
 …そこには…遠く微かに小さな影の様に…でも確かに…みんながいた…
 …『僕』の『アレン・ウォーカー』の…『大切』な…『仲間』が…
 「…ごめんみんな…さよなら…」
 …その最後の言葉は…小さく…口中で消えた… 

                                            ―続く―