―カチャリ…キィー…
 …ドアノブを握り…回す…
 …そして…『扉』が開く…
 …この向こうに足を踏み入れたら…本当に…
 「…アレンたま?」
 …逡巡する僕にレロが不思議そうに問い掛けてくる…
 「…なんでもないよ…レロ…さあ…帰ろうか…」
 …そう言って…僕は足を踏み入れる…


 
運命の分岐(わかれみち)
           ―第2章―
              ―第3話―



 「アッレーンvおっかえりーv」
 …そう言って飛び付いてきたのはロード…
 …以前は…これはいつものことだった…
 「…ただいま…ロード…」
 「…アレン?元気なあい?あいつらと別れるの…そんなに辛かったの?」
 ロードが心配そうに聞いてくる。
 「…ロード…僕は…」
 「アレンvオカエリvようやく戻ってきましたネv」
 …僕の言葉を遮るような形で千年公がそう言う…
 「…千年公…僕は…帰ってきましたっだから…」
 「…エエv勿論解ってますヨvフロワの方に向かわせたアクマ達ももう退かせましタvこれ以上の追っ手も掛けることはしませんから安心してくださイv」
 …にこにこ笑いながら千年公が言う…
 「…有り難うございます…」
 「…それではアレンv帰ってきて早々悪いのですが、アレンに『お仕事』がありまスv」
 …千年公がそう言うだろうことは解っていた…
 「…ジャスデビ達のことですか…」
 「そうでスvジャスデビくんとスキンくんがイノセンスに冒されていまスv『浄化』してきて下さイvそれとついでにティキぽんのケアもお願いしますネv」
 …イノセンスに…それの意味するところは…そう考えて神田とクロウリーが気になってくる…二人を『出口』の前に転移させた時…息はあった…すぐに『外』のミランダさんと合流できれば…助かるはず…
 「…解りました…3人は何処ですか?」
 「僕が案内するようvアレンvいいでしょー千年公?」
 …そう言ってロードが僕の手を引っ張りながら、千年公に言う。
 「仕方ないですネvアレンの邪魔はしてはイケマセンヨv」
 頷いてロードに千年公は許可を出す。
 「ヤッターvフフvいっこーアレンv向こうだよーv」
 …上機嫌のロードに引っ張られて…僕はティキ・ミックを引きずったまま『其処』へ向かう…
 
                                            ―続く―