[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
…嘘を吐くのは慣れている…
…道化は他者も自身も欺く存在(もの)…
…でも…
…君に嘘を吐くのは…辛い…
運命の分岐(わかれみち)
―第4章―
―第1話―
「……あの…リナリー…そろそろ放しては…」
…恐る恐る…そう声を掛けた…
「ダメッ!」
…再び即答…
…リナリーの手が震えてる…
…ああ…なんて僕はひどい…
…リナリーの様子に…僕の心が揺れる…
…迷いが生まれる…
…その時だった…
《…アレンv》
―ビクリ!
…千年公…
…解って…います…
…不意に聞こえたその声に…そう心の内で応える…
「?アレンくん?」
…その僕の様子を訝しく思ったんだろう…リナリーが不思議そうに声を掛けてくる…
「…あっ…いえ…なんでもないんです…」
…そう言って誤魔化しかけて…
…そしてふと思い直し…
「…ただ…ちょっと気分が…」
…そう言って少しふらついてみせる…
「大変!アレンくん大丈夫!?」
…リナリーがとても心配そうにそう言ってくれる…
…その様子に…やっぱりひどく申し訳なくて…
…でも…
…でも…
…ごめん…リナリー…
…僕はこれから君に…嘘を吐く…
―続く―