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 …嘘を吐くのは慣れている…

 …道化は他者も自身も欺く存在(もの)…

 …でも…

 …君に嘘を吐くのは…辛い…


 
運命の分岐(わかれみち)
           ―第4章―
              ―第1話―
 


 「……あの…リナリー…そろそろ放しては…」
 …恐る恐る…そう声を掛けた…
 「ダメッ!」
 …再び即答…
 …リナリーの手が震えてる…
 …ああ…なんて僕はひどい…
 …リナリーの様子に…僕の心が揺れる…
 …迷いが生まれる…
 …その時だった…
 《…アレンv》
 ―ビクリ!
 …千年公…
 …解って…います… 
 …不意に聞こえたその声に…そう心の内で応える…
 「?アレンくん?」
 …その僕の様子を訝しく思ったんだろう…リナリーが不思議そうに声を掛けてくる…
 「…あっ…いえ…なんでもないんです…」
 …そう言って誤魔化しかけて…
 …そしてふと思い直し…
 「…ただ…ちょっと気分が…」
 …そう言って少しふらついてみせる…
 「大変!アレンくん大丈夫!?」
 …リナリーがとても心配そうにそう言ってくれる…
 …その様子に…やっぱりひどく申し訳なくて…
 …でも…

 …でも…

 …ごめん…リナリー…

 …僕はこれから君に…嘘を吐く…

                                            ―続く―