アレンくんが臨界者に…
 …その可能性を知った時、少しだけ安心した…

 …だって…もしそうなら…

 …アレンくんはやっぱりノアじゃない…

 …アレンくんもきっと自分がノアじゃないって解った筈だから…

 …だから…

 …アレンくんが…行ってしまうかもしれない…

 …その不安が…少しだけ和らいだ…


 
運命の分岐(わかれみち)
           ―第4章―
              ―序―
 


 …ティエドール元帥の言ったことは当たっている…

 …僕は臨界点を突破した…

 …その可能性を知って、リナリーが少しだけ安心したのは、そばにいたから解った…

 …恐らくリナリーは…僕が臨界突破したのならば、やはりノアだというのは何かの間違いだと考えたんだろう…

 …でも…

 …違うんですリナリー…それは…

 …だって…イノセンスは…イノセンスとノアは…

 …知らない方がいい…この『真実』は…

 …特にリナリーは…

 …知れば…優しい君は戦えなくなる…アクマはともかく…ノアとは…

 …だから僕は…

 …僕は…

 …さようなら…みんな…

                                            ―続く―


                       ― 『第1話』 『第2話』 『第3話』 ―