…どうしたらいいのか解らない…
…みんなが好きだ…一緒にいたい…
…でも…
…でも…
…マナ…僕は…僕は…
運命の分岐(わかれみち)
―第4章―
―第3話―
「クロちゃん!アレンはっ!アレンはどこさっ!?」
「クロウリー!アレンくんは!?」
アレンと二人だった筈のクロウリーが一人で戻ってきた。
それを見てラビとリナリーの脳裏に、方舟で自分達を置いて去って行った、アレンの姿が過ぎる…
…嫌な予感と共に…
「わっわわわっ!なっ!なんであるか?一体どうしたのであるか?」
一方事情を知らないクロウリーは、ラビとリナリーの二人から、凄い剣幕で詰め寄られすっかり困惑していた。
「クロちゃんアレンを知らないさ?一緒だったんだろっ!?」
「…ア…アレンなら…行きたいところがあるから少し遅れると…」
ラビの問いにクロウリーは困惑顔で及び腰に答える。
「…それほんと!?アレンくん本当に帰ってくるの!?ねぇ!?アレンくんと何処で別れたの!?」
クロウリーの答えにリナリーが縋り付くように、矢継ぎ早に問い掛け…
…そのリナリーの様子にクロウリーは更に驚き慌て…
「わっわわわっ!!どっ…どうしたであるか?リナリー…」
「…クロちゃん落ち着いて聞いて欲しいさ…アレンは…」
…慌てるクロウリーに、ラビが神妙な表情(かお)でそう言った、その時…
「なんだ?馬鹿弟子はいないのか?」
…不意に聞こえた『その声』にそちらを見ると…
―!!!
其処には長い赤毛に奇妙な仮面を着けた、神父服の男が立っていた。
―終わり―
―運命の分岐(わかれみち)―第4章―了―
―終章に続く…