…敵を憎めない…それはやはり罪でしょうか…

 …ああ…どうしたらいいんでしょう…

 …いまになって…僕は…唐突に気付いた…

 …そのことに…

 …よく考えてみたら…僕は一度も…『彼等』を憎み切れたことなんかないのです…

 …これは…罪でしょうか…

 …でも…

 …憎めないのです…


 
運命の分岐(わかれみち)
           ―序章―
              ―第1話―



 ティキ・ミックになにがおこったのか解らない…

 …ノアの『力』は…『破壊』した筈なのに…

 …『出口』の『扉』は壊され…

 …どんどん…崩れていく…

 …どうしたら…このままじゃ…

 …このままじゃ…

 ―…ドクン…
 
 ―…一瞬…脳裏に過ぎる…それは…最悪の…想像…

 …このままじゃ…

 …失う…

 …『…また…失う…?…』…

 …いやだ…

 …『…いやだ…』…

 …イヤダ!…

 《…嫌なのですカ?v…》
 …えっ…
 《…助ける方法…ありますヨ?v…》
 …なんだって…
 《…お前にハ…その『力』があるのですヨ?v》
 …なんなんだ…この『コエ』…
 《…『アレン・ウォーカー』…》
 …これは…千年…伯爵?…
 《…助けたいのなラv助けることが出来ますヨvお前の『力』デv…》
 …なんで?…僕に…こんな…
 …『力』だって?…そんなもの…
 《…ありますヨv…お前は忘れているだけデスv…》
 …忘れてる?…なにを…
 《…サアv思い出しなさイv『アレン』vお前が思い出せば…それで全て解決するのですヨ?v》
 ―…ドクン…
 
 ―…忘れなさい…アレン…―

 ―…ドクン…

                                            ―続く―