『…クルシイ…クルシイ…クルシイ…』

 ―…アア…『何故』…これほど『クルシイ』のか…―

 ―…もう『クルシイ』のは嫌だ…―

 ―…『私』はもう『キミ』が『クルシイ』のも『私』が『クルシイ』のも嫌だ…―
 ―…『壊れた現在(世界)』を支え続けるのはもう嫌だ…―

 『…クルシイ…クルシイ…クルシイ…』

 ―…もう『終わり』にしよう…この『クルシミ』を…―


 運命の分岐(わかれみち)
           ―序章―
              ―序文―



 …思えば…その『コエ』は…いつでも…アッタ…

 …ただ…僕が…聞いていなかっただけ…

 …目を逸らしていただけ…

 …ほんとう…は…
 
 …僕は…

 …知っていた…
 
 …聞こえていた…

 …でも…

 …僕は…目を逸らしていたかった…耳を塞いでいたかった…

 「…忘れなさい…」

 …大好きな人が言った…その言葉…

 …僕を…思ってしてくれたこと…

 …ああ…

 …だから…僕は…

 …ひとときだけでも…そう思った…

 …でも…

 …いつのまにか…

 …いまの『僕』を失いたくないと思うようになった…

 …『いま』を失いたくないと…思うほど…いつのまにか…『それ』が『大切』になっていた…

 …みんなに知られたくないと…

 …忘れていたいと…

 …いつのまにか…

 …それでも『力』が必要で…

 …『コエ』はどんどん近くなる…

 …『僕』の『意識』に…届くようになる… 

 …僕に聞こえていて…『僕』に聞こえなかったその『コエ』が…

 …『僕』に聞こえるようになる…

                                            ―続く―

            ― 『第1話』 『第2話』 『第3話』 『第4話』 『第5話』 ―