《…『アレン』v…思い出しなさイvそうすればあの可愛いお嬢さんも守れますヨ?v》
 …リナリー…

 ―…ドクン…
   
 ―…忘れなさい…アレン…―

 ―…ドクン…


 
運命の分岐(わかれみち)
           ―序章―
              ―第2話―



 …なんだ…これ…

 ―…あのヒトは…千年公は…ノアは『敵』なんだよ…

 …この声…なんで…

 …『敵』…『敵』…キーン…

 ウッ!…なんだ…あたまが…

 ―…「…あのヒトは…ノアは…おまえの『敵』なんだよ…」…―
 …コレハ…マナ?…でも…なんで…マナが…
 ―…「…なんで?…なんでそんなこと言うの?…『敵』なんかじゃないよ!僕等は『家族』だよ!『味方』だよ!」…―
 …これ…『誰』の…どこかで聞いたことが…あるような…
 ―…「我輩達は『家族』でスvさアv一緒に『家』に帰りましょウv」…―
 …な…ん…だ…これは…

 …なんだ…

 …なんだ…

 …『家族』って…『誰』が…

 《…我輩達がですヨv『アレン』…》
 …う…そ…だ…
 《…嘘ではありませンvお前は『ノア』なのでスv》
 …ノア…誰が?…僕が?…嘘だ…
 《…忘れているだけでスv…よく考えてみなサイv心臓に穴を開けられて生きていられる『人間』なんかいますカ?v》
 …あっ…ああ…
 …いや…でも…それは…イノセンスが…
 《…通常…粒子になるまで破壊すれば…イノセンスは『力』を失いまスv…お前のイノセンスが『力』を失わなかったのは何故カ?v疑問には思いませんでしたカ?v》
 …そ…それは…
 《…答えを教えてあげましょうカ?v『アレン・ウォーカー』…それはお前のその『左手の十字架』それは厳密には『イノセンス』ではないからでスv》
 …なっ…なんだって…
 《…イノセンスであってイノセンスでないイノセンス…それがその『イノセンス』の正体でスv》
 …そんな…
 《…そしてそれはお前も同ジv…》
 …嘘だ…
 《…そもそも…生まれつきイノセンスを身に宿した『人間』なんかいると思いますカ?v》
 …それは…
 《…『アレン・ウォーカー』…お前は『マナ・ウォーカー』と出会う前のことを覚えていますか?v》
 …それは…
 《…ぼんやりとしか…思い出せないのではないですカ?v》
 …どうして…
 《…思い出そうとすると…苦しくなるのではないですか?v》
 …どうして…
 《…とてもコワイから…思い出したくない…違いますカ?v》
 …なんで…

 …なんで…

                                            ―続く―