…ツイナと名乗った子供の話が終わると、その場にいた暗部の殆どが部屋を出て行った…
…カカシはあまり真面目に聞いていなかった話の中で…確かに『そういった類の指示を示すと思われる内容の話もあったな…』等と思いつつ…先程から気になっている事を考える…
…あれー?そう言えば…関係なさそうだったから真面目に聞いてなかったけど…何かさっきから妙に気になるなー?
…そんな感じでずっと考えていた事…その気になっていた事が、一体何なのかカカシはその話が終わってようやく気が付き、戸惑い混乱していた。
…そうして想い惑っているその時…不意に直ぐ近くから声を掛けられた…
「はたけ上忍、どうかしたのか?」
…いつの間にか目の前に二人の子供を従えたあの子供、ツイナが立っていた…
「…お前…何時の間に…」
…気付けなかった!考え事をしていたとはいえ、注意を怠った訳では無いのに!それなのに…目の前に来て声を掛けられるまで気付かなかったなんて!
…こいつは…どうやら噂もバカにしたもんじゃない様だな…
噂と事実と真実と―3―
…作戦会議の間中…じいちゃんと俺の話し合いの結果今回の任務に加える事になった上忍『はたけカカシ』はずーっと何か呆っと考えている様だった…
…相変わらず何を考えているのか解らないカカシの様子に…しかし別に本当に聞いていないと言う事も無いだろうと話続ける…
…話の途中で不意に何かに気が付いたと言う様に、より一層考え込み始めた様だったが…『俺』に対して向けられる意識はそれまでと大して変わらず、その様子に別に『俺』が『誰』なのか気付いたという様な感じも無かったので、まあ良いかと取り敢えず放っておく事にした…
…気付いたんなら…幾らなんでももう一寸『俺』の方に意識を向けてもおかしくないしな…
…しかしカカシの意識はただ己の思考にのみ…僅かに周囲にも向けられてはいるし、話も聞いてはいる様だが…それは普段の様子と何ら変わりない…
…ただ…確かに少しばかり『俺』の事も気にしてはいるようだけど…でもあの様子は…『俺』って言うか『俺達』に対しての様だしな…
…まあ…せいぜいが…『木の葉の奥』に関する噂の事でも気にしてるんだろうな…
『カカシセンセイ』は一応あの人の部下だし…
…じいちゃんは知らない筈だって、まだ『あの事』は教えてない筈だって言ってたけど…
…実際そうみたいだけど…
…でもあの人が『何れはって』そのつもりがあったのも、まあ事実だし…
…だとしたら…
…『カカシセンセイ』としては気になってるよね?
『木の葉の奥』の正体…
『火影の切り札』『木の葉の奥』
木の葉の暗部や上忍の間で、噂され囁かれる存在…
…ある種の都市伝説だって言われてるのは…
…あまりにも長い期間その存在が噂され続けたから…
…まあ…実際は…『木の葉の奥』って言うのは…別に『俺』個人の事だけじゃないからなんだけどな…
…『俺』はあくまで連中のまとめ役みたいなもんなだけだしな…
…『カカシセンセイ』に本気で探られたら、いくらなんでも不味いかもしれないし…少しだけなら教えとこうかな?
―続く―
―あとがき―
皆様こんにちは、RINですm(_ _)m
『噂と事実と真実と』第3話目になります。
…えーと…今回は冒頭部カカシで、本編は『ツイナ』の素の思考でした…
…さて『ツイナ』は『誰』でしょう?ってこんな事は皆様お解りだと思いますけど…一応作中で『正体』として出てくるまでは、あとがきでは書かないつもりです…
―それではまたの機会に―RIN―