―…階段を登りきったと思ったら…突然ロードに飛び付かれてキスされた…
 …突然だったから少し驚いたけど…でも…それ以上に驚いたのは…

 …何故かそれほど嫌だと感じなかったことと…そして…

 …何故か…昔…似たようなことがあったような…そんな懐かしさが…フッと過ぎったことだった…

 …どうしてかはわからない…

 …でも…驚いたのも…戸惑ったのも…その時だけだった…


 
岐路(わかれ)への道程(みち)―5―


 …すっかり崩れてしまった…塔の外…

 …目の前には…恐るべき力を持つノアでありながら…とても人間くさいティキ・ミック…

 …そちらばかりが気になって…だから僕は気付かなかった…

 …僕に纏わりついてくるロードが…僕は何故か不快じゃなくて…

 …無意識の内に…それを当たり前の様に受け入れていたことを…

                                            ―続く―