沸き上がってくる『モノ』が恐かった…
 『自分』の内(なか)の『ノア』は決して消えた訳じゃない…
 『オレ』が『ノア』でなくなったわけじゃない…
 『それ』を思い知らされ…そして…
 
 …『復讐』を誓った…今でも『オレ』はっ…
 
 ―『あの後』…気付かれてはマズイと一度『家』に『戻った』…
 それが悪かったんだろうか…

 ―「ああロビンv!帰ってきたのですネv大丈夫ですカv?遅いので心配していたのですヨv?」
 『家』に帰った『オレ』を見るなり千年公はそう言った…
 酷く慌てて…心配そうな表情(かお)で…

 …そんな『あんた』の顔を見て…正直…『オレ』の心は揺れた…
 …でも『復讐』を止める気もなくて…
 
 …だから『オレ』は…まず『ロビン』を『殺す』ことにした…
 

 
―羊が抱えるパラドックス―
              ―序―
  
 

 …コワイ…コワイ…コワイ…

 『仲間』と一緒にいて…唐突に『彼ら』が忌まわしくなる…
 憎くなる…そんなことが…最近ある…

 ―…込み上げてくる…『憎悪』…『殺意』…
 ―…脳裏に蘇るのは師匠の『言葉』…

 …イヤダ…イヤダ…イヤダ…

 ―込み上げてくる『それ』が恐ろしくて…

 …僕は任務の途中に…気が付いたらみんなの傍から逃げ出して…街の中を滅茶苦茶に走っていた…

 …このままだと…僕は…いつか本当にみんなを…

 『殺してしまう』…かもしれない…

 …『それ』がコワくて…

 『それだけは嫌だ』と…そう思って… 

 …僕は気が付いたら…走り出していた…
 
                               ―続く―


            ・  ・  
                            
            ・  ・  ・  

                                  10  〜以下続