「アレン」
「マナ!」
振り向くと其処には養父の『魂』を封じたゴーレム…『マナ』の姿があった。
…ディスティニー…
―マテール編―
―序―
「有り難うマナ!」
…そう言って父に礼を述べ…渡された追加の資料に目を通す…
「…取り敢えず…師匠からの追加の指示は無し…か…あっ!研究の方は随分進んでるみたいだな…データチェックしておかないと…また師匠がうるさいぞ…で…イタリア近辺の奇怪の情報は…と…」
…渡されたのは…『方舟』のコンピューターに入力されていた…師からのメッセージと…イタリア周辺の奇怪の情報と…そして…
「…へえ…あっ!…これ結構よさそう…『人形』か…『マナ』のボディ作りの参考になるかな?…って!これ!まずい!早く行かないと『教団』かアクマに取られちゃうかも…」
「…アレン…傍受していた『教団』の無線データからの情報に何か載ってるのかい?」
…僕は普段から…こっそりと…『教団』の無線データを横から傍受して、『教団』の動向をチェックしていた…
「…うん…結構良さそうな奇怪なんだけど…『教団』も調査していたみたい…ファインダーっていうやつらだけだったら…問題ないんだけど…この奇怪どうやら当たりみたいで…イノセンスがあるとかアクマが現れたとか…そう言う風に『教団』に連絡がいってる…これだとエクソシストと鉢合わせしちゃうかも…」
…困ったな…と言い…つらつらと考え始める…
…ずっとこうやって…巧く『教団』の人間に見付からないようにしていたのだ…
…ここで…件の奇怪の場所に向かえば…よりにもよってエクソシストに見付かってしまうかもしれない…
…でも…必ず鉢合わせするとは限らない…
…これまでにも同じようなことは何度かあった…だがその度になんとかやり過ごせている…
…師の指示ではないから…イノセンスは無理に回収できなくても…まあ構わない…但しここで逃げ出したのがバレれば、敵前逃亡だの根性無しだのと言われ…そして…酷いメに…
…そこまで考えゾッとした…
…それを思えば…行った方が良いのだろう…
…それに…
「…やっぱり『人形』は気になるな…実際動いてる所を見てみたいし…それに…この『マテール』って言う所に行ったら…もしかしたら『人形』を作った当時の記録なんかもどこかに…残って…いたらいいな…」
…望みは…薄いけど…はあ…500年も前なのか…いまも人が住んでたらなー…
…そう小さく呟いて…
…やっぱり行こうと決めた…
―続く―
―あとがき―
どうも皆様こんにちはRINです。
今回は『マテール』編の導入部です。
次回でマテールにアレンくんが行きます。
…今回アレンくんが無線を傍受して情報を得ていると言っていますが…これはアレンくんが師匠と共犯だから出来ているだけです…
…ちなみにアレンくんはこれで得た情報は一切伯爵側には横流ししておりません…と言うか全然この事は話していないし…また伯爵側もこの事は知りません…(ロード含む)
…またアレンくんは師匠から『教団』について色々教わっていますが…これもまた同様で…まあ言ってみれば『守秘義務』の様な感じです…アレンくんは割とこういう部分はしっかりしています…
…ちなみにノアの内部情報に関してはアレンが話す云々以前の問題で…何故か師匠が知っていたためアレンはあまり気にしていません…(…まあ…師匠があまり『教団』に帰らないと言うのも理由の一つですが…)
…まあ尤もノアについては…アレンは実は結構知らないのですが…理由はマナやクロスとばかり一緒にいたため…後アレンには『ノアの記憶』がないため…
…むしろ…マナやクロスが教えたことの方が多かったりもします…
…伯爵がアレンくんが師匠のもとにいることを許しているのは、このためでもあります…(…重要な情報をアレンくんが握っていたら…そしてそれをエクソシスト側に漏らすかも知れない…となったら…いくらなんでも…エクソシストと行動を共にすることは許しません…でも伯爵はアレンくんがそれほど重要な情報を握っていないことを知っていますし、またそう言った『秘密』に関しては、いくらなんでも漏らさないと言うのも知っているので安心しているため、許してもいるのです…仕方ないと言うことで…)
―それではまたの機会に―RIN―
― 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/
11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/
21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/
31/32/33/34/35/36/37/38
/39
〜 以下鋭意制作中 ―